「フラーレン」という美容成分を聞いたことはあるでしょうか。
フラーレンは高い抗酸化力を持っており、化粧品原料としては2005年から発売されています。

一体、いつ誰が発見し、化粧品に配合されるまで身近な存在となったのでしょうか？マニアックなネタに迫ります！

フラーレンの発見と由来

フラーレンは、英国のハロルド・クロトー教授、米国のリチャード・スモーリー教授、ロバート・カール教授、3人の科学者たちが、宇宙空間の再現実験を行っている中で偶然発見されました。

フラーレンが発見される以前から数名の科学者により存在は予言されていましたが、それまで実際にフラーレンの存在を確認した人は誰もいませんでした。彼らはフラーレン発見の功績により、1996年ノーベル化学賞を受賞しています。

「フラーレン」は、建築家のリチャード・バックミンスター・フラーが考案した球状のドーム型、「ジオデシック・ドーム構造」とフラーレンの形状が似ていることから「バックミンスターフラーレン」とも呼ばれています。

DOMEHOUSE info‐ドームハウスは、エコロジーの先駆者”バックミンスター・フラー”の数ある発明の一つだった！？‐

身近にあるかもしれないフラーレン

実はフラーレンは地球上でも発見されています。

ロシアとフィンランドの国境沿いにある「カレリア地方」に存在する、「シュンガイト」という石の中にフラーレンが含まれていることが分かっています。シュンガイトは、20億年も前の地層の中にある炭素が多く含まれる鉱物です。

このカレリア地方の温泉は、傷ついた兵士たちの傷を早く治すと評判だったため、ロシアの初代皇帝ピョートル1世が、保養所にしていたともいわれています。

この伝説とフラーレンの関連性は残念ながら解明されていませんが、温泉の多い日本にももしかしたらフラーレンがあるかもしれませんね。

また、宇宙を再現した空間で発見されたフラーレンですが、その後アメリカ航空宇宙局（NASA）により、実際の宇宙空間でも観測されています。

世界中でフラーレンの研究がおこなわれた

フラーレンが発見されてから多くの科学者たちがこぞってフラーレンの研究を行いました。
その中で、1991年に世界的権威のある科学雑誌「Science」で、フラーレンの高い抗酸化力を示す論文が掲載され注目を浴びました。

そこに目をつけた日本の企業がフラーレンの研究を進め、化粧品原料を開発することとなったのです。

フラーレン化粧品原料の誕生へ

高い抗酸化力が魅力のフラーレンですが、化粧品原料として世に送り出すには様々な課題がありました。

多くの人に使用されるスキンケアアイテム（化粧水・美容液・乳液・ジェルクリームなど）は、ほぼ水性成分でできており、水に溶けないフラーレンを混ぜることは非常に困難でした。

そこで、フラーレンを水性成分に分散させる技術が開発され、化粧品に配合しやすくした水溶性フラーレンの「ラジカルスポンジ」が誕生しました。


多くの科学者の興味を惹きつけるフラーレンは、国内外の様々な研究機関・大学で調査がされており、美容効果のみならず安全性が高いことも確認されています。

活性酸素のケアは朝と夜に毎日継続して行うことが大切です。フラーレン配合の化粧品は毎日安心して使うことが出来ますので、いつものスキンケアにぜひ採り入れてみてくださいね。