「活性酸素は肌に悪い」と言われるけれど、実際のところ活性酸素が一体なんなのか知っていますか？息をしているだけで自然と体のなかで作られてしまう活性酸素。その特徴とともに、うまく付き合っていく方法をご紹介します。

肌細胞を老化させる!? 活性酸素の正体

活性酸素は私たちの体のなかで作られます。その名のとおり「活発な酸素」のことで、一体なにが活発なのかといえば「酸化させる力」です。細胞は酸化することで老化が早まり、組織の衰えを招きます。そのため肌トラブルだけでなく、生活習慣病も活性酸素が原因で引き起こされることが多いとも言われているのです。
――と、まるで悪者のように語られがちな活性酸素ですが、実はそれ自体が悪さをするものではありません。それどころか、外部刺激や体内に入り込んだ細菌類から私たちの細胞を守り、酵素の働きを促す効果を持っているため、私たちの肌や体の健康のためには欠かせないものです。

ただ、この活性酸素、攻撃力が強過ぎるのがたまにキズ。必要以上に増えることで過剰攻撃状態になってしまい、自分の細胞を傷つけ酸化させる結果になります。つまり肌に悪影響を与えるのは、"活性酸素そのもの”ではなく"活性酸素が増え過ぎる”ことなのです。

シミ、シワ、たるみ…活性酸素が招く肌トラブル

活性酸素が体内で増えすぎると、シミ・シワ・たるみなどが肌に現れやすくなります。

シミ
シミの一番の原因と言えば、紫外線による日焼けですよね。紫外線を浴びると、それに対抗しようと活性酸素が大量に発生します。その活性酸素によるダメージを引き受けるために働くのがメラニン色素を作っているメラノサイト。このメラノサイト、メラニン色素を作ることで細胞へのダメージを最小限に抑える働きをしてくれていますが、その結果的、黒く日焼けした肌になってしまうんです。通常の日焼けなら肌のターンオーバーに合わせていずれは元の肌へ戻るのが一般的。でもメラニン色素が過剰に作られてしまったり、肌の新陳代謝が弱まっていたりすると、色素がシミとして残ってしまいます。また、活性酸素は皮膚の皮脂を酸化させ、過脂化というメラニン色素を排出しづらい悪循環をもたらし、今既にあるシミをさらに濃くしてしまう原因にもなるんです。

シワ・たるみ
活性酸素は、肌の真皮層にもダメージを与えます。真皮層とは、肌の奥にある"肌をつくる場所”のこと。そこがダメージを受けると、肌の若々しさを支えるコラーゲンやエラスチンの生成に影響が出てしまい、肌の弾力や水分キープ力が損なわれ、シワやたるみにつながってしまうのです。

シワとたるみは老け見えの大きな二大要因。お化粧で隠せないものだけにその悩みは深刻ですよね。

活性酸素を増やさず減らす！今日からできる対策

活性酸素は一般的な生活をしていても、体のなかで自然に生まれます。呼吸から取り込んだ酸素のうち約2％が活性酸素になると言われているため、増やさない＆減らす対策をするのが、活性酸素によるダメージを抑えるための近道になります。

活性酸素を増やす原因
・大気汚染
・紫外線
・喫煙
・多量の飲酒
・食品添加物
・ストレス
・激しい運動

すべてを避けることは難しいかもしれませんが、できるものから意識的に減らすことで、活性酸素の抑制につながります。

一方で、増えてしまった活性酸素を減らすためにまず心がけたいのは、バランスの良い食事をとり、規則正しい生活をすること。それに加え、活性酸素の働きを抑える効果が期待できる、抗酸化食品を積極的に摂ることも大切です。抗酸化作用があると言われているものには、ビタミンCやビタミンE、ポリフェノール、リコピンなどがあります。また、毎日の肌のお手入れでは、ビタミンC誘導体やアスタキサンチン、さらに今注目のフラーレンといった抗酸化成分配合のコスメアイテムを活用することで、ケアが期待できます。

活性酸素との上手な付き合い方を覚え、いつまでも若々しい肌をキープしましょう！


＜参考・参照元＞
スキンケア大学「肌の構造とその役割」
皮膚科医に聞く！“肌の酸化”が老けを促す…その原因や防止策、糖化との関係は？