発酵食品が健康に良いイメージがある方は多いと思いますが、実はアンチエイジング効果も期待できる、美容にもうれしい食品なのです。その秘密は、発酵食品が持つ高い抗酸化パワーにあります。
今回は、発酵食品の魅力と、毎日の食事にとり入れたいおすすめ発酵食品についてご紹介します。

アンチエイジングに欠かせない、抗酸化作用ってどんな働き？

私たちの体では、酸素の一部から活性酸素という物質が作られます。活性酸素は強力な酸化力を持つため高い殺菌力があり、ウイルスや細菌などから体を守っています。しかし、活性酸素の酸化作用はあまりに強力で、適量であれば体にとってプラスに働きますが、増えすぎると健康な細胞や血管までも傷つけられてしまいます。活性酸素のダメージを受けた細胞や血管は、まるで鉄がサビていくように老化していくのです。

このような強すぎる活性酸素の作用を抑制してくれる働きが、抗酸化作用です。抗酸化作用は、もともと私たちの体にも備わっている機能です。しかし、年齢を重ねるごとに抗酸化作用を持つ酵素の量は減少していきます。そのため、食べ物などで抗酸化力を持つ成分を体の外からも摂り入れていくことが、アンチエイジングの大きなカギとなります。

抗酸化パワーを得るなら発酵食品がベストなワケ

抗酸化作用を持つ成分は、意外にもたくさんあります。例えば、ビタミンAやビタミンC、ビタミンEなどのビタミン類、リコピンやカプサイシンなどのカロテノイド（天然の色素成分）、アントシアニンやカテキンなどのポリフェノールです。これらは野菜や果物などに豊富に含まれています。

しかし、通常食品に含まれる抗酸化成分は、細胞内で強く結合しています。そのため、生の野菜や果物を食べても、含まれる抗酸化物質が十分な力を発揮することができません。そこで登場するのが発酵食品です。発酵食品も抗酸化成分を豊富に含む食べ物の1つです。発酵食品の特徴的なことは、その製造過程で微生物が生み出すさまざまな酵素が、細胞内の結合を解いてくれること。これにより、抗酸化物質を効率よく抽出することができるため、発酵食品の抗酸化力は強力なものになります。

長期間保存できる食品として、昔の人の知恵が生み出した発酵食品は、発酵が進むにつれて、旨みや独特の風味が増します。また、発酵食品に含まれる微生物には、それ自体に体にとって有益な作用がありますが、さらに、アミノ酸やクエン酸、ビタミンなどの体に良い成分を合成する働きもあります。ヨーグルトに含まれる乳酸菌、納豆に含まれる納豆菌などがその代表です。発酵食品を毎日の食事に摂り入れれば、アンチエイジング力を高めながら、体の健康を保つこともできると言えます。

毎日食べたい！おすすめ発酵食品

朝食に気軽にとり入れやすい食品としておすすめなのは、ヨーグルトです。ポリフェノールが豊富なブルーベリーや、ビタミンCが豊富ないちご、キウイなどと一緒に食べれば、果物に含まれる抗酸化成分とのダブルの効果が期待できます。朝食がご飯派の方には、納豆や漬物がおすすめ。

そのほかの食事では、味噌や醤油で調理したメニューを加えると効果的です。塩分濃度が高いためなんとなく体に悪いイメージがあるという方も多いかもしれませんが、味噌や醤油も発酵食品です。高血圧の方や腎臓疾患を持っている方などは、減塩の調味料を使うと良いでしょう。

また、お酒好きな方には、ワインとチーズの組み合わせがおすすめ。とはいえ、お酒の飲み過ぎは肌荒れの原因にもなります。ほどほどの適量を守りましょう。


＜参考元＞
ナットウキナーゼ | 日本ナットウキナーゼ協会
乳酸菌の働き | 乳酸菌ラボ《フジッコ株式会社》
塩分を摂り過ぎると／塩と体の話｜減塩ネット
【医師監修】肌と内臓の関係 ～肝臓・腸編～ | スキンケア大学 
知る・学ぶ | 菱和ECOフード株式会社