皆さん化粧品の全成分表示って見ていますか？ カタカナ、数字や英語が入り混じってなんだかよくわからないという方が多いと思います。
実は、成分表示は自分に合った化粧品を選ぶ上で大切な情報です。美白、毛穴対策など自分の目的にあった成分が入っているか、自分に合わない成分が入っていないかなど様々な情報を与えてくれます。

化粧品は、色々な成分を組み合せて作られています。例えば…、

• 肌の悩みを解決する機能性成分
• 潤いを与える油やポリマーなどの成分
• 水と油を混ぜる成分
• 使用感を良くする成分
• 化粧品の変質を抑える成分
• 香り成分

などで、それぞれの成分にはそれぞれの特徴があります。

そんな多数の成分の中で、「フラーレン」は肌の悩みを解決する機能性成分として化粧品に配合されている美容成分です。

肌老化を防ぐ「フラーレン」

フラーレンには、肌老化を防ぐ効果があります。では、フラーレンはどのようにして肌老化を防止するのでしょうか？それにはまず肌老化が起きる原因を紐解く必要があります。

皆さん活性酸素というキーワードをお聞きになったことがありますか？ 活性酸素はその名の通り活性化した酸素です。活性化というと元気なイメージで、良い印象を受けますが、実際は元気を通り越して暴れん坊な酸素になっています。活性酸素は、その性格から肌に対して色々な攻撃を加え、その結果、シミ、シワ、乾燥、ニキビなど様々な肌老化を引き起こします。ちなみにこの攻撃のことを「酸化」と呼びます。
活性酸素に対抗する化粧品成分として、抗酸化剤といわれる成分があります。これはその名の通り酸化を抑える成分です。有名な抗酸化成分としては、ビタミンCやビタミンE、コエンザイムQ10などがあります。

実はフラーレンはこの抗酸化作用が非常に強い成分です。ビタミンCの172倍※の活性酸素を抑制する効果＝「抗酸化効果」があるという実証データもあります。この抗酸化作用によって肌悩みの原因の一つである暴れん坊な酸素＝「活性酸素」の攻撃から肌を守り、その結果、肌老化を防ぐことができるのです。
 
フラーレンは、「抗酸化成分で活性酸素の攻撃から肌老化を防ぐ」と覚えておけば、次に化粧品を購入するときのチェックポイントになりますね。

フラーレンってどこからやってきたの？

フラーレンが、「活性酸素からお肌を守る抗酸化成分で、肌老化を防いでくれる」というのは分かったけれど…フラーレンって聞き慣れない名前だし、どこで見つかったの？ という疑問が湧いてくるかもしれません。

フラーレンは、いまから約30年前、元々は宇宙空間の星間物質の研究から発見されました。発見した科学者たちは、1996年に発見の功績からノーベル化学賞を受賞しています。

その後、実は地球上にもフラーレンがあることがわかりました。非常に微量ですが、ロシアとフィンランドの国境近くのカレリア地方で取れる「シュンガイト」と言われる石にも、フラーレンがあることがわかったのです。

ちなみにこのシュンガイトはパワーストーンとしても古来より使用されていたとか…。
フラーレンが肌老化予防に効果があると知っていたかどうかは不明ですが、昔からなんらかのパワーを感じて身近に使っていた人もいたのかもしれませんね。


※出典：『生産と技術』第60巻 第一号 P50-54 松林賢司（社団法人生産技術振興協会,2008）