こんなところにもフラーレン 中国編 2018
中国の方が化粧品を買うというと、来日観光客によるいわゆる「爆買い」をイメージしますが、中国国内の化粧品技術も着実に向上しており、現地ブランドも定着し始めています。
今回は、中国・広州からの情報をレポートします。
活性酸素対策は中国でも当たり前!
広州は、中国において化粧品の製造工場が集まる都市で、美容業界のイベントも多く開催されています。その広州において、2018年11月7日~8日にスイス大手の出版会社・Ringier社主催の『パーソナルケアテクノロジーサミット2018』が開催され、フラーレンの紹介をしました。
2014年に中国の原料リストにフラーレンが掲載されてから中国国内でのフラーレン採用が加速。すでに化粧品業界の人には化粧品原料として「フラーレン」の名前は知れ渡っていますが、詳細なストーリーの認知はこれから。
今回の発表では、フラーレンの 強い抗酸化力・効果の持続性・紫外線に強いという3つの特徴の他に、すべて日本製というポイントを紹介しました。
紫外線や大気汚染で発生する活性酸素が肌に悪影響をもたらすこと、また抗酸化成分フラーレンを使った美白効果やシワ改善の結果報告のほかに、化粧品原料の良し悪しを見るポイントとして、安全性、安定性、効果の3つが揃わないと製品化できない点もご紹介しました。
普通は効果だけに目がいってしまいますが、化粧品に大事なのは安全性と安定性です。フラーレンの化粧品原料は、効果の他に安全性と安定性もしっかりと確認している点を紹介しました。
会場内の展示ブースや発表を見ていると、「抗氧化(抗気化)」の単語が目に入ってきます。中国語で「抗氧化」とは抗酸化のことで、紫外線はもちろんですが、大気汚染によっても発生する活性酸素対策は、中国においても基本中の基本のようです。
すべてにつながる / スマートフォンやSNSの活用
展示ブースを見ていて気がついたこと、それはスマートフォンの活用です。日本で行われているような名刺交換は一切なく、WeChat(日本のLINEのようなアプリ)で連絡先を交換するのが当たり前になっています。最新情報はSNSを使って発信・受信するのが常識となっており、企業もホームページよりSNS上の企業ページのほうが充実しているようです。日本ではSNSは個人間のつながりが強いイメージですが、中国では企業も個人もSNSでつながっています。
こういう状況から、中国ではSNS上でのみ化粧品を販売する会社も登場しています。顧客からのニーズをうまくつかみ、化粧品を企画・販売し、その後も使用感などの口コミをSNS上で確認しながら、次の化粧品開発につなげていく。より消費者と化粧品会社か対等に近づいたコミュニケーションをとっているといえますね。
中国でも注目のフラーレン化粧品
日本でアンチエイジングの定番となったフラーレン(中国語では「富勒烯」)。中国ではまだ新しい原料ですが、美容業界の方への認知度は上がっており、順調にフラーレン配合化粧品も登場し始めています。
固定観念にとらわれずに、新しい技術を次々と組み合わせて広がる中国市場、もしかすると将来、私たちには想像もできなかったようなユニークな化粧品も登場するかもしれませんね。