透明美肌に導く成分&ホームケア方法を徹底レクチャー
シミやくすみができるメカニズムがわかっていても、成分の知識がなければ効果的なケアができないこともあります。やみくもなケアは効果を落とすだけでなく、思わぬ肌トラブルを招いてしまうかもしれません。
今回も八重洲形成外科・美容皮膚科 原かや院長に「透明美肌に導く成分&ホームケア方法」について伺います。お手軽なホームケアでピュアな光に満ちた肌を目指しましょう!
ワントーン明るい肌を目指そう!鉄板の美肌成分6選
肌をトーンアップさせて透明感あふれる肌を目指すには、毎日のホームケアが欠かせません。
「でも、どの化粧品を選べばいいのかわからない」という方に向けて、ホームケア用の化粧品として取り入れやすい鉄板の美肌成分を6つピックアップしてご紹介します!
【1】ハイドロキノン
ハイドロキノンは比較的効果が強い美白成分で、イチゴや麦芽、コーヒーなどに含まれる天然成分です。もともと医療機関で処方される美白成分でしたが、2001年の薬事法改正により化粧品にも使用できるようになりました。古くから馴染みのある定番の美白成分です。
ただし、人によって赤くなったりすることがあり、塗布後に紫外線に当たることでシミがさらに濃くなる可能性があるため使用の際には注意が必要です。夜のみの使用にするか、しっかりと日焼け対策をしてから使いましょう。
また、高濃度のハイドロキノンを長期間使う場合は医師への相談を忘れずに。全顔使いではなく、スポット使いがおすすめです!
【2】エラグ酸
エラグ酸はイチゴなどのベリー類から抽出できるポリフェノールの一種です。シミのもととなるメラニンの生成を抑制する働きや抗酸化作用を含んでおり、肌の老化を防いでくれます。日に当たる機会が多く、過剰なメラニン生成を抑えたい方におすすめです。
【3】ビタミンC誘導体
壊れやすいビタミンCを吸収しやすくしたものです。アンチエイジングに効果のある抗酸化作用があります。液体に混ざりやすく、化粧水などによく配合されている人気の成分。シミ・そばかすの予防として活用するといいでしょう。日々の炎症を抑えたい場合は、スポットではなく顔全体に使うのがおすすめです。
【4】フラーレン
フラーレンは、紫外線ダメージで生じた乾燥による肌のザラつきやキメの乱れなどをケアする整肌成分。抗酸化作用があるため、アンチエイジング効果を期待する人にもおすすめです!紫外線によるくすみ・乾燥・毛穴・ハリ不足などを軽減する効果があります。
フラーレン配合化粧品を6週間使用したところ、94%の人が使用前に比べて肌が明るくなったという試験結果もあります!フラーレンを使用する際は、規定値以上配合した商品のみ使用することができるフラーレンロゴが付いているものを選ぶと安心です。
【5】トラネキサム酸
メラニン色素が生成されるのを抑制し、炎症を抑える効果を持つ美白ケアの強い味方!肝斑や肌荒れを改善する効果も期待できます。内服薬もあるので、内からの美白ケアにもピッタリです。
しかし、事例が少ないながらも食欲不振や胸やけなどの副作用を起こす可能性もあるので、違和感を覚えたらすぐに医師に相談するようにしてください。
【6】プラセンタエキス
以前から話題になっているプラセンタには美白作用があります。市販のプラセンタ商品には、豚や馬などの胎盤から抽出したエキスが使われています。プラセンタは過剰なメラニン生成の抑制・排泄を促してくれたり、活性酸素による皮膚の黒化現象を防いでくれることも。アンチエイジング効果があるため、若々しい肌を目指したい方にピッタリです。
メラニンの排出を促すターンオーバーを整えるコツ
「メラニン」と聞くと、シミのもとになる悪者だと思う人が多いのではないでしょうか。
実はメラニンは肌を紫外線から守ってくれる存在。大切な働きを持っているのです。
確かに紫外線を浴びてメラニンが過剰に生成されると色素沈着を起こしてシミになりますが、これはメラニンをきちんと排出しきれなかった場合に起きること。通常であれば、メラニンが生成されてもターンオーバーで排出されるため、色素沈着を起こすことはないのです。
ターンオーバーとは、肌が生まれ変わることを指します。表皮の一番内側にある基底層で新しい細胞が生まれ、それがだんだんと表面に押し上げられていき、古くなった細胞が最終的に垢となってはがれていくのです。
ターンオーバーがスムーズに行われていないと、肌トラブルのもとになり、シミもなかなか薄くなりません。
できてしまったシミを改善するためには、紫外線や摩擦などの刺激をなるべく肌に与えないように気を付けるのはもちろん、ターンオーバーを促進してメラニンが排出されるよう手助けすることも欠かせません!
ホームケアでターンオーバーのサイクルを正常に保つコツは、以下の6つ。
睡眠時間を確保する
- 規則正しい生活をする
- バランスとのとれた食事をする
- ストレスを溜めない
- 定期的にピーリングを行う
- UVケアを毎日行う
つるんと輝く卵肌を手に入れるために、生活の乱れを改善していきましょう。
「ホームケア」と「美容皮膚科治療」の使い分け
シミができた時だけスキンケアに力を入れても、くすみやシミのない美肌は手に入りません。フラーレンやビタミンC誘導体などの美白成分をホームケアに取り入れて、日々のスキンケアで長期的にメンテナンスしていく必要があります。
また、シミにはホームケアで改善できるものと機械(治療)でしか改善できないものがあるので注意しましょう。「日焼けによるシミだと思っていたら肝斑だった」という可能性もあります。もしホームケアで改善できなかったら、美容皮膚科に行って相談するのがおすすめ!
「セルフケアの方法がわからない」「どの化粧品を選べばいいのかわからない」といった悩みがある人は、先に美容皮膚科に相談し、それからフラーレンなどの美肌成分を取り入れたホームケアにチャレンジすると安心です。シミなどの美容治療を希望する場合は通常の皮膚科ではなく、美容皮膚科に行くようにしてくださいね。
形成外科専門医、レーザー専門医・指導医。東京女子医科大学卒業後、同大学形成外科にて多くの手術やレーザー治療を担当。2015年に八重洲形成外科・美容皮膚科開設。プチ整形と言われるヒアルロン酸やボトックス治療、シミ治療などに定評がある。一方で保険診療にも力を入れており、眼瞼の手術を始め局所麻酔での手術を日々行っている。ポリシーは「自然な美しさ」