八重洲形成外科・美容皮膚科 原かや院長に聞く!正しい日焼け止めの活用法
美白ケアでなによりも大切なことは紫外線対策。そこでカギを握るのが「日焼け止め」です。
ほとんどの女性が持っているアイテムの1つですが、実は正しく使えていないことが多いアイテムでもあります。
今回は八重洲形成外科・美容皮膚科 原かや院長に正しい日焼け止めの活用法を伺います。「うっかり日焼け」しないよう、日焼け止めの基本を抑えていきましょう!
ほとんどの人は日焼け止めの量が足りていない?

日焼け止めはきちんと塗れていますか?
自分では問題なく塗っているつもりでも「うっかり日焼け」をしているかもしれません。
原先生いわく、日焼け止めの使用量が不足している方は珍しくないそう。
適量を塗っておかないと、紫外線から肌を守り切れないこともあります。
日焼け止めにはそれぞれSPFやPAなどの数値が記載されていますが、その表記通りの効果を出すには、顔に塗る量の目安として「8mmパール粒2つ分」くらいの量が必要だそうです。
お化粧ノリの良さを考慮すると、この半分くらいの量にしてしまうケースが多いかもしれません。
そのため無意識に量を少なくしがちになり、本来の半分程度の効果になっていることも……。
たとえSPF50の日焼け止めを使っていても、使用量が4分の1だと効果は18分の1、SPF50でもSPF2.7程度の効果しか得られないと言われています。
そんな状態のまま日当たりのいい場所で過ごしていたら、簡単に日焼けをしてしまいます!
「うっかり日焼け」を防ぐためにも、日焼け止めの適正量を確認してから塗るようにしましょう。
量が多くてうまく塗れない場合は、2回に分けて塗るのもおすすめです!
アイテムの「重ね塗り」で効果も化粧ノリも◎
そうは言っても、日焼け止めをしっかり塗ると「指示通りの量を塗ったら白浮きしてしまった……」なんてトラブルに見舞われることもあります。
特に、忙しい朝に白浮きしてしまったりベタついたりすると、化粧ノリが悪くなって気分まで落ち込んでしまいますよね。
そこでおすすめなのが、複数のアイテムで重ね塗りをすること。
日焼け止め、化粧下地、ファンデーション、フェイスパウダーなど、それぞれ日焼け止め効果があるものを選ぶようにしましょう。重ね塗りすることで、少ない量でも一定の効果が期待できます。白浮きやベタつきも軽減できて一石二鳥!
ただし、SPF35のアイテムを重ねてもSPF50の効果は期待できませんのでご注意を!
あくまで記載されている数値通りの効果を出すために使える方法です。
重ね塗りをする余裕がなかった日は、帽子やサングラス、日傘を使って物理的に紫外線を避けると良いでしょう。玄関先に準備しておけば、忙しい時でもサッと帽子などをかぶって出かけることができます。
肌ダメージを溜めこむNG行動とは

日焼け止めは出かける日だけ塗るものではありません。
美白を意識するなら、いついかなる時も、日焼け止めで紫外線を徹底ブロックするべきなのです。
肌の奥には、紫外線のダメージが日々蓄積されていきます。その蓄積されたダメージが、ある日シミとなってあらわれるのです。
シミを作らない人は「いかに紫外線ダメージを軽減するか」に力を入れています。
以下の2つは紫外線対策でのNG行為です。当てはまっていないかチェックしてみましょう。
【1】日焼け止めを塗るのは出かける前だけ
日焼け止めの塗り直しはできていますか?
出かける前にきちんと塗ったとしても、汗をかいたりこすったりして日焼け止めは落ちていきます。また、SPF値の低い日焼け止めの場合は、夕方にはかなり効果が落ちているのです。夕方にもう一度日焼け止めを塗り直して、1日中紫外線防止効果を持続させるようにしましょう。
【2】家にいる時は日焼け止めを塗らない
洗濯を干す時、日焼け止めを塗っていますか?
ちょっと外に出るだけだから、と考えていても、その「ちょっと」が蓄積されていきます。その時は「1」のダメージしか受けなくても、毎日続ければ1か月で「30」のダメージになり、1年で「365」のダメージになるのです。
また、1日中室内にいる時も例外ではありません。
部屋の中にいるとあまり日差しを感じないので紫外線を浴びていないように感じるかもしれませんが、これは大きな誤解です。
紫外線は目に見えず、熱くも眩しくもありません。そのため紫外線を浴びている実感がないのです。しかし、紫外線A波はガラスを通過しますのでご注意を!涼しい部屋にいる時、クーラーの効いた電車や車で移動している時も紫外線を浴びているので、日焼け止めを忘れないようにしてくださいね。
飲む日焼け止めも!おすすめの美白成分

最近では「飲む日焼け止め」を利用している方もいます。
飲む日焼け止めを服用することで、「サンバーン(皮膚が赤くなってヒリヒリすること)」までの時間を延ばすことができるのです。つまり、飲む日焼け止めによって日焼けするまでの時間が延びるということです。製品の指示に従って服用するものですが、出かける30分前に1粒飲んだりして使うことが多いようです。
もし日焼けして肌が炎症をおこしてしまった場合、肌の色素沈着はビタミンCやリノール酸でケアできます。
また、活性酸素を除去するフラーレンなどの美白剤でも肌のダメージを少しずつ軽減できるでしょう。
ただし、シミの代表格とも言われる「老人性色素斑」など輪郭がハッキリしている濃いシミは、美白剤だけでは改善するのが難しくなります。
だからこそ、日々日焼け止めを活用して紫外線から肌を守りましょう!

形成外科専門医、レーザー専門医・指導医。東京女子医科大学卒業後、同大学形成外科にて多くの手術やレーザー治療を担当。2015年に八重洲形成外科・美容皮膚科開設。プチ整形と言われるヒアルロン酸やボトックス治療、シミ治療などに定評がある。一方で保険診療にも力を入れており、眼瞼の手術を始め局所麻酔での手術を日々行っている。ポリシーは「自然な美しさ」